雑学・ニュース・旬のネタを数字で読み解き、ちょっとだけ世の中に対する理解を深めます。

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2011年3月新卒有効求人倍率は1.28倍


リクルートワークス研究所:「 大卒求人倍率調査(2011年卒)」より引用

しばらく間が開いてしまいましたが、久々のエントリーです。

世界各地で金融危機の影響を引きずり、ギリシャを始めとしたユーロ圏の国々(PIIGS)の財政問題等、いくつもの火種がある一方で、NYダウや日経平均の株価指標の上昇、企業業績の回復傾向が見られ始めていると報道されています。

そんな情勢の中で、2011年3月卒業予定の大学新卒の有効求人倍率がリクルートワークス研究所から発表されたました。

参考記事 : 来春の大卒求人数が2割減少 8年ぶり低水準

2011年度の大卒有効求人倍率は、1.26倍
だそうです。
厳しい、厳しいと言われていた昨年の数字が1.62倍でしたから、さらに厳しいと言えるでしょう。
(といっても、1.00倍は超えてます。)

それを感じとってか、明らかに昨年とは違う就職活動の傾向が数字で表れています。
企業規模別の有効求人倍率です。

300人未満の企業 : 2010年(8.43倍)⇒2011年(4.41倍)
5000人以上の企業 : 2010年(0.38倍)⇒2011年(0.47倍)


昨年の就活生は、金融危機の影響から、「安定志向・大企業志向」という傾向が強かったと記憶しています。
ところが、今年は上記の数字のように、大企業の志望者が若干減り、中小企業への志望者が増えているように見えます。

これは恐らく、学生達が明るい未来を夢見てチャレンジ精神旺盛になったという前向きな動きではなく、昨年の先輩達の活動状況を見て、「安定志向は変わらないけど、大企業を目指して内定をもらえなかったら最悪。小さい企業でもいいから、とりあえず内定が欲しい。」という、より現実的な就職活動をしていることを表しているのでしょう。

その年の経済状況によって、新卒者のマインドが大きく左右されてしまうという、日本企業の人材採用の慣習というものは考えものですね。
参院選に向けて、自民党が新卒採用したら100万円助成金を出して完全雇用を目指す「トライアル雇用制度」なんてのを公約に掲げるようですが、これじゃなんの解決にもなってないです。極端な話、企業は100万もらって安い給与で若い人材を使い捨てを助長しているようなもんです。

と、批判しつつも私に何かいいアイデアがあるわけではないんですが、、、
「雇用の流動化」に対応した制度が学校・企業・国に求められているのは間違いないです。

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仕事が無い!?(大学生編)

大卒求人倍率

前回のエントリー「仕事が無い!?」で、有効求人倍率について述べた。
単に有効求人倍率と言った場合には、大学の新卒者は含まれない。

大卒求人倍率については、政府が発表している数字は無く、民間のリクルートワークス研究所が毎年発表している。

それをグラフにしたのが上の図です。

2010年春卒業予定の求人倍率は、1.62ということです。
確かに前年と比べれば大きな落ち込みですが、有効求人倍率0.47と比較すると随分と高い数字です。
就職氷河期の再来と言われていますが、2000年が0.99と1を下回っていたのに比べれば、まだまだ高い。。。


参考記事 : 2010年3月卒業予定者の大卒求人倍率は1.62倍、前年から0.52ポイント低下

ただ、従業員規模別の求人倍率でみてみると、従業員1000人未満の企業と1000人以上の企業とで大きな差がある。
※ 民間のデータで著作権がありそうなので、ソースのリンクだけ貼っときます。
リクルートワークス研究所:「採用動向に関する調査データ」

従業員1000人以上の企業 : 0.55
従業員1000人未満の企業 : 3.63


大企業の求人倍率は1を切っていますが、中小企業であれば仕事は十分にあると言えそうですね。

だけれども、大学生の就職内定率は過去最低だそうです。

参考記事 : 大学4年生 就職内定率最低 超氷河期 一流大学も苦戦

大卒者内定率推移
厚生労働省 : 「 就職内定状況調査 」より作成

確かに、上の図の通り、12月1日時点での内定率の推移をみると73.1%と過去最低のようです。

超氷河期という上の参考記事に対して、ちょっと違和感・・・

だって、内定率が最低なのは事実だけど、求人倍率は氷河期の時より全然高いじゃん!

この2つのデータから、就職氷河期の再来ということだけでなく、就職先をより慎重に選んでいるということも言えるわけで、就業意識の変化に対してもフォーカスをあてるべきなんじゃないかと。

規模別の求人率なんかと合わせると、先行き不透明な現在の経済状況において、より大企業志向・安定志向が強まっているというのがデータとして現われてるんじゃないでしょうか?


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仕事が無い!?

完全失業率と有効求人倍率の推移
厚生労働省:「一般職業紹介状況」より作成

以前のエントリー失業率のカラクリ!?で、日本の完全失業率の推移について触れました。

報道では失業率の報道とセットで、「有効求人倍率」という数字が取り上げられます。

有効求人倍率とは、求職者一人に対して、何件の求人があるかを図る指標です。
有効求人数÷有効求職者数で求められます。
有効求人数、有効求職者数は共に、公共職業安定所(ハローワーク等)での集計を元にしています。
ちなみに、新卒者の求人数・求職者数はこの数字には含まれません!

上の図を見てわかる通り、失業率と有効求人倍率とは相反する関係になっています。
求人が少ない⇒働けない訳ですから当然と言えば当然です。

最近の報道完全失業率と有効求人倍率(2010年1月29日更新)によると、ここ数か月は若干の回復傾向にあるようですが、史上最低水準にあることに変わりはありません。

では、本当に仕事が無いのでしょうか?

まずは、都道府県別の有効求人倍率を見てみた。

都道府県別有効求人倍率2009

一番高いのは、香川で0.69
一番低いのは、沖縄で0.28


と地域による差は大きくありそうです。
低い方は、沖縄、鹿児島、青森、秋田、岩手といった、九州・東北方面で且つ主要都市からの距離が遠い地域であることが言えそうです。
意外なのは、以下の点です。
・ 香川を始め中国・四国地方の数字が高いこと
・ 神奈川・千葉・埼玉といった東京に隣接する地域の数値が低いこと
何でなんでしょう?ここはもう少し詳しく調べる必要がありそうです。。。(いずれ調べます。)

沖縄は、平均給与、失業率も全国でワースト1ですので、明らかに、産業が少なく雇用環境は厳しいのだろうと想像できます。
なので、普天間基地の移設問題なんかでも、建設費が地元に落ちるということの意味の大きさは他の地域よりも大きいのでしょう。

地域別にも有効求人倍率に差は大きくありますが、職業別に見た場合にはどうでしょう?
以下の図をご覧ください。

職業別有効求人倍率2009

①~⑨の職業カテゴリとそれぞれの職業についての有効求人倍率です。

職業カテゴリ毎で、有効求人倍率1.0を超えているのは、以下の3カテゴリです。
① 専門的・技術的職業
・・・医師・歯科医・獣医の5.8という数字が引っ張っているものとみられます。
⑤ サービスの職業
・・・どの職種も高い数字ですので、実際に「仕事がある」状態と思われます。
⑥ 保安の職業
・・・保安の職業とは、自衛官、警察官、消防士、一般の警備員等の職業を指します。こういった公的な職業は雇用の受け皿になっている側面がありそうです。

個別に見ていくと、現在政府が支援しようとしている社会福祉専門の職業や販売類似の職業(保険や不動産等の営業)の数字が高いです。

全体数としては、求人は満たされてはいませんが、職種によっては仕事はあるわけですね。

就業問題が語られる時には、以下の3つの関係性から見る必要があります。
1.全体の求人数(有効求人倍数・率)の問題
2.職種毎の求人数と求職者数(雇用のミスマッチ)の問題
3.求職者の就労意欲

1、2の事実を捉えずに、3だけにフォーカスをあて「働く意欲が無いんだ。仕事を選び過ぎるんだ。選ばなければ仕事はあるんだから。」といった議論なんかはよくありますが、ちょっとバランスを欠いてます。
物事を一面からだけ捉えずに複数の視点から捉えることが大事ですよね。


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プロフィール

か~る

■ニックネーム:か~る
■東京都西東京市在住
■1976年生まれ
■IT系企業で企画業務を担当
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